水車
お蕎麦屋さんや旅館等で目にした事のある水車。
しかし、昔ながらの本来の役割を果たしている水車を、
現在ではほとんど目にすることはありません。
今回はそんな水車について調べてみました。
●水車とは
水車は、川などの水の流れを利用して車を回転させエネルギー
を発生させる一種の原動機。
電動機や蒸気機関が普及するまでは、揚水・脱穀・製粉・製糸など広く使用されていました。
●水車の歴史
水車は、古代メソポタミア時代に発明されたと考えられ、
農地灌漑のために使用されていたとの記録が残っています。
しかし奴隷労働の豊富な古代ローマ社会においては、
滅多に使われない機械としており、あまり普及はしなかったようです。
日本では「日本書紀」において推古18年(610年)に
高句麗(こうくり)から来た僧曇徴(どんちょう)が、
碾磑(てんがい)という水車で動く臼を造ったといわれ、
平安時代の天長6年(829年)良峯安世が諸国に
灌漑用水車を作らせたとあります。
また、鎌倉時代の「徒然草」には
宇治川沿の住民が水車を造る話があり
室町時代には朝鮮使節が日本の水車を見て
技術を持ち帰ろうとしたとの記録があります。
動力水車の使用は江戸時代になってからといわれ、
白米を食する習慣の広がりとともに、精米・穀物製粉のために使用されていたようです。
水という自然のエネルギーを利用し、環境にやさしい水車。
こうした現在、私たちも見直さなくてはいけないなと考えさせられました。