安心な水道水
読売新聞 2008年7月12日(土)
(抜粋記事)
東京都は、高度処理した水を「東京水」として販売している
ミネラルウオーター人気の一因は水道水の「まずさ」にある。東京都水道局の昨年の調査では、水道水をそのまま飲む都民は36%と少ない。 浄水器を使う家庭も45%に達する。
だが、国立保健医療科学院水道工学部長の秋葉道宏さんは「最近、かび臭さの原因物質が検査の対象に加わるなど、 水質基準のチェック項目は51項目に増え、今は安心して飲める」と太鼓判を押す。
特に東京や大阪は、オゾンや生物活性炭を使った高度浄水処理の導入で、住民の苦情は激減している。都は「かび臭い」 というイメージを払しょくし、「おいしい水」をPRするため、高度処理した水道水を「東京水」として販売しているほどだ。蛇口型や据え置き型など様々なタイプがある浄水器。浄水シャワーも売られている
それでも「まずさ」が指摘されるのは、マンションなどの配管や貯水槽の汚れや、浄水器の間違った使い方に問題がある場合があるからだ。
浄水器協会は「浄水器のフィルターは除去される有機物質がたまりやすく、こまめに交換しないと逆に水を汚してしまう」と注意を促す。
古い家屋に残る鉛水道管も鉛が溶け出す。水に詳しい法政大教授の左巻健男さんは「朝、バケツ1杯分は飲用にせず、 植木などの水やりに使えばいい」と助言する。
暑くなる季節、気になるのが塩素の毒性とにおい。殺菌用に水道水1リットルに0・1ミリ・グラム以上含まれるが、左巻さんは 「基本的には心配ないが、無理に飲む必要はない。ただ、味は、水道水も冷やして飲めば、ミネラルウオーターとそう変わらない」と語る。
記事にもありますが、浄水器はフィルター交換が肝心。
浄水器をご使用の皆さまは、必ず定期的にフィルター交換を行ってください。
「アクアスファイブ」はメンテナンスが含まれているシステムなので安心ですね!
水質調査 841カ所すべてが水浴OKの水質
毎日新聞 2008年7月5日(土) 東京朝刊
(抜粋記事)
環境省は4日、全国の海水浴場や河川、湖沼の水浴場の水質調査結果を公表した。調査した全841カ所が水浴に「適当な水質」 と判定された。うち「適」は水質AAとAの2ランクで702カ所。「可」は、水質Bが131カ所、水質Cが8カ所だった。
(参考)環境省ホームページ http://www.env.go.jp/water/suiyoku_cho/index.html
夏本番!!注目の集まる水浴場。
海・川遊びといえば、当日の天候が気になるものですが、
いざ、泳ぐとなると、水質も気にしたい所ですね。
久留米・竹野地区の水道水からシアン化合物検出 69世帯の給水一時停止
毎日新聞 2008年7月5日(土)
(抜粋記事)
久留米市は同市田主丸町竹野地区の簡易水道から基準値の4・8倍のシアン化合物が検出されたとして、 4日正午から地区の69世帯の給水を停止した。同日再調査した結果、基準値を下回り、同日午後9時に給水を再開した。 体の不調などを訴える住民は出ていないという。
同市水道ガス部によると、基準値を超えたのは同地区の三明寺浄水場から供給を受けている民家の水道水。 2日の定期検査で採取した民家の水から、通常は検出されないシアン化合物が1リットル中0・006ミリグラム(国の基準値は0・ 01ミリグラム以下)が検出され、翌3日に再検査したところ0・0477ミリグラムを検出し、基準値を超えた。
このため、給水を止め、浄水場の沈殿池や配水池、給水民家など計14カ所を再び調査した。その結果、 2戸の民家の水道水から基準値以下の0・0005ミリグラムと0・0006ミリグラムが検出されたが、それ以外は未検出だった。 今後1週間は毎日、配水池と民家の水道水の検査を続ける。
シアン化合物は毒性が強く、農薬などにも含まれ、メッキ工場で使われるという。同部で、水道水に混入した原因を調べている。
同部は給水停止後、同地区の集会所などに給水車を派遣し、水を供給した
「シアン化合物」あまり聞きなれないこの言葉、言い換えると実は「青酸化合物」。
給水停止という早期対応で事なきを得ましたが、水道水への混入の原因究明が
急がれているようです。
水を大切に使おう 節水強化月間
西日本新聞 2008年7月2日(水)
(抜粋記事)
熊本市は1日、3カ月にわたり市民に節水を呼び掛ける初めての「節水強化月間」をスタートさせた。 水の使用が増える夏に照準を定め、生活用水使用量の10%削減や、節水器具の普及に集中的に取り組む。
同市では市民の水源となる地下水量が年々減少。このため2005年から毎年7月、市民1人1日あたりの生活用水使用量 (254リットル)を減らす「節水社会実験」に取り組み、07年は7%の削減に成功した。
「強化月間」では7月の削減目標を10%に設定。市のホームページなどで毎日の水使用量を表示して市民に協力を呼び掛けるとともに、 8月以降も節水器具の普及や漏水防止に取り組む。
市役所近くの繁華街であった開始式では、碩台幼稚園の園児たちが、キャラクター「節水ちゃん」の着ぐるみと一緒に歌や踊りを披露、 買い物客に「水を大切に」と呼び掛けた。
全米市長会、ボトル入り飲料水削減の決議を採択
AFP BBNews 2008年6月24日(火)
(抜粋記事)
全米市長会(US Conference of Mayors)は23日、フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami) で開いた会議で、自治体ごとにボトル入り飲料水の使用を段階的に削減し、水道水の重要性を促進する決議を採択した。
近年、米国ではプラスチックの使用や輸送エネルギーコストなどの観点から、 ボトル入り飲料水は環境に悪影響を与えるとの考え方が高まっている。
決議はギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)サンフランシスコ(San Francisco) 市長を筆頭とする18都市の市長が、こうした世論を背景に、 ボトル入り飲料水に投入している税金をほかの行政サービスに還元しようと提唱したものだ。
ニューサム市長は、「各自治体は民間会社が販売する、使い捨て容器に入った水に税金を投入することで、 水道水の質がボトル入りウオーターに劣るかのような間違ったメッセージを市民に発信している」と訴えた。
ペットボトル使用に反対するキャンペーン「Think Outside the Bottle(ボトルの外側を考えよう)」 を展開している、企業の社会的責任を追求するNGO「Corporate Accountability International (CAI)」は、「ボトル入り飲料水よりも水道水を選ぶことが、環境・ 経済の両面において最良の選択であることを示す強力なメッセージだ」として決議を歓迎。CAIによると、現在、 全米の60を超える都市で、すでにボトル入りウオーターの購入を中止したという。
一方、米飲料業協会(American Beverage Associations)は、決議は「偽善に汚れた不適切なもの」 との声明を発表した。
声明では、飲料業界が継続的に洪水、山火事、ハリケーンなどの自然災害や、 自治体の水道システムが故障した場合などにボトル入り飲料水を提供し、貢献してきたことを強調。 多くの市長が非常用としてボトル入り飲料水を歓迎していると訴えた。
水道管からドジョウ
朝日新聞 2008年6月1日(日)
(抜粋記事)
和歌山・湯浅 ため池の水 給水
和歌山県湯浅町で、 配管ミスが原因で数か月にわたって民家2世帯に防火用のため池が水道水として給水されていた。因果関係は不明だが、 住民の生後4ヶ月の乳児が腸炎を起こした。町は住民に対し「初歩的なミスで、誠に申し訳ない」と謝罪し、 早急に健康診断を実施する。
町によると、昨秋、町が委託した業者が新築住宅2棟の配管工事をした際、 誤って約350メートル南のため池の水が流れる防火用水の管に給水管をつないでいたという。
住民8人が今年3月と4月に入居。「水圧が低い」「水がにおう」と苦情が町へ届き、水質を調べると、残留塩素が検出されず、 配管ミスが判明したという。水道管を清掃した際、中からドジョウが見つかった。
クスリが水道水に残留?飲んで知らずに体内に!?
産経新聞 2008/4/16
(抜粋記事)
体内に吸収しきれず、体外に排出された医薬成分が、上下水処理で除去されずに水道水を通じ、 再び体内に取り込まれている可能性があるとして、厚生労働省などが実態調査に乗り出している。
水道水への混入は微量で健康への影響もないとされるが、米国では抗生物質や精神安定剤などの医薬品成分が検出され、問題になっている。 約2,800種にのぼる医薬品には分 析方法が確立されていないものも多く、大阪市など大都市圏の自治体は対応に追われている。大阪市も調査
大阪市水道局の柴島浄水場(東淀川区)。敷地内にある水質試験所では、淀川や浄水場内で採取して1, 000倍に濃縮した水を質量分析計に入れ、長さ数十メートルの細い管に通して物質量を量っている。
本来は残留農薬などを調べる装置だったが、市水道局は厚労省などが実態調査を始めた3年前から、 医薬品成分の濃度を独自に調べてきた。対象はカフェインや解熱鎮静剤など42種類。 いずれもオゾンによる高度浄水処理や砂ろ過など現在の手法で極微量に抑えられることが判明したという。
ただ、日本で流通する医薬品は約2,800種にのぼり、水に溶けやすく分子構造が複雑な物質ほど測定は難しい。 寺嶋勝彦研究主幹は「一物質の測定方法を確立するまでに2~3年かかり、費用もかかる」と指摘。 同様の調査を行う自治体は他にないという。
4,100万人
大阪市水道局が神経をとがらせるのは、医薬品による水道水の汚染が世界的に広がり、 住民の不安を払拭(ふっしょく)する必要に迫られているためだ。
AP通信の今年3月の報道によると、全米24の大都市圏で少なくとも4,100万人が利用する水道水から医薬品成分が検出された。 東部フィラデルフィアの水道水からは高ステロールやぜんそくの治療薬成分など56種が見つかり、 ニューヨークの水源からは精神安定剤や心臓病治療薬の成分が含まれていたという。
日本でも高了承などの研究班が昨年1月に関東と関西の計7浄水場を調査。うち、3浄水場の水道水から高脂血症剤、解熱鎮静剤、 抗てんかん剤が1リットル当たり6~31ナノグラム(ナノは10億分の1)検出された。
いずれも体重50キロの成人が水道水を毎日2リットル、70年間続けて飲んだとしても、1日で摂取できる薬の限度量にさえ満たず、 健康には影響ないという。
過剰な摂取
医薬品成分が水道水から検出される背景には何があるのか。
厚労省などの研究班は「主にヒトから排泄(はいせつ)されたものが下水処理場を経由して河川水や水道原水に混入。 大部分は浄水処理の過程で除去されるが、一部は浄水に残留している」と結論づけた。平成17年の医薬品の国内向け出荷金額は約7兆5,600億円にのぼり、5年間で18%増加。 米国でもこの5年間で処方を必要とする医薬品の購入は12%増えた上に、処方を必要としない医薬品も減っておらず、 こうした過剰な摂取が一因とAP通信は指摘している。
欧米では製薬会社に新薬開発などの過程で環境影響評価を行なうことを義務付けており、 分解されやすく自然界に蓄積しにくい物質を使うよう求めているが、日本では手付かずの状態だ。
宮田秀明・摂南大薬学部教授(環境科学)は「たとえ微量であっても、 知らないうちに持続して医薬品成分を摂取していることは間違いないだろう。 複数の成分が人体に及ぼす複合的な影響も評価する必要があるが、現在のところ実態が分かっておらず、今後も懸念される問題」 と話している。
老朽化水道管 遅れる対策
朝日新聞 2008年4月8日(火)
(抜粋記事)
10年後、4割が更新期
上水道管の老朽化が進んでいる。全国で約60万キロが敷かれているが、厚生労働省によると10年後には、 法廷耐用年数を超える管が全体の4割に及ぶ。高度成長期以降の右肩上がりの新設とは異なる「更新」は、 水道事業者にとって初めての経験だ。しかし、その費用を賄えるのかどうか。大きな壁が目の前にある。
大規模断水が相次ぐ
「歩道に大量の水があふれている」。宮城県大和町役場に昨年11月下旬、こんな連絡が入った。 現場は住宅や病院が近い町東部の県道。町には「水が出ない」という問合せも相次いだ。水圧低下などで周辺の約1千戸が断水。調べると、 地下の直径45センチの鋼管に長さ1.5メートルにわたって亀裂が入っていた。給水車の配車なども含め、復旧に700万円かかった。 上水道管が敷かれたのは76年。町は経年劣化による破損と判断した。町上下水道課は「これほどの大規模断水は初めて。 口径の大きな管ほど、被害が大きく出てしまう」と話す。町は08年度に急きょ、新幹線沿いを中心に管調査費として1,600万円、 更新などの工事費として3,200万円を予算付けした。
ここ数年、老朽化が原因と見られる断水事故が目立ち始めている。昨年だけでも新潟県村上市や岡山市などで大規模な事故が起きた。 厚労省によると、断水が100戸を超えるなどの大規模な事故は07年に少なくとも19件あり、14件が老朽化が原因とみられる。
実はその厚労省に過去の正確な事故データはない。07年度から、大規模な事例の提出を全国の水道事業者に求め始めたばかりだ。 「老朽化対策は、まず実態把握から」と厚労省担当者。対策が後手にまわったかたちだ。
国内の上水道は延べ約60万キロ。高度成長期以降、急ピッチで敷設が進んだ。厚労省の推定では、法廷耐用年数を超えた管は現在、 全体の2割弱を占める。2020年には4割近くになるという。老朽管は確実に増え続ける。
費用工面手付かず
北九州市は07年度に、更新を目的とした「基金」を設けた。毎年更新しているが、将来の大量更新をにらみ、 毎年5億円をプールする。「更新できるのは、給水人口と収入が潤沢なためだ」とし水道局経営企画課の竹下誠次主査は話す。 東京都水道局も積立金を新設した。07年度から年50億円を積み立てている。
しかし、全国に上水道事業者は約1,600あるが、多くは手付かずの状態だ。大阪府泉佐野市。00~05年度は赤字。 累積赤字は6億円にのぼる。視水道公務課の宗野公保計画係長は「現状は病院や住宅密集地付近などを優先させ、細々と更新するしかない。 料金値上げも難しい。国が新たな補助制度を作ってくれれば」と話す。全国の事業者でつくる日本水道協会は厚労省に、 ごく一部しか対象としていない補助金制度を拡充することなどを要望している。
法的耐用年数
上水道は、常に満水で圧力がかかった状態で水を送るため、下水道よりも強度が求められる。法廷耐用年数は、 その効用が持続する期間とされ、国や水道事業者は寿命の目安ととらえている。地方公営企業法の施行規則で、 排水池から家庭や工場まで送る「配水管」を40年と定めている。
洗眼:プール後の水道水は逆効果、感染しやすく・・・慶大研究
毎日新聞 2008/2/21
(抜粋記事)
塩素消毒したプールで泳いだ後に水道水で目を洗うと塩素で角膜が傷ついた目の表面の粘液が洗い流されてしまうことが、坪田一男・ 慶応大教授(眼科)らの研究で分かった。厚生労働省や文部科学省はプール後の洗眼を呼び掛けているが、 逆に細菌やウイルスに感染しやすい状況を作っているという。米国の医学雑誌に発表した。
研究チームは、20~30代の男女10人の協力で実験。国のプールの水質基準に従って― 塩素消毒剤を溶かした生理食塩水▽水道水▽生理食塩水▽蒸留水―で50秒間目を洗ってもらった。
その結果、塩素消毒剤入りを使うと角膜上皮細胞が破壊される程度が他の3種類より激しく、 目の表面の粘液を洗い流す作用も強かった。水道水も粘液を洗い流す作用は同程度だった。
厚労省は発熱や結膜炎などの炎症が出るプール熱の感染拡大を防ぐため、プール利用者に洗眼を呼び掛けるよう、 都道府県などに求めている。文部科学省は体育教員への指導手引きで、水泳後の洗眼指導を例示している。眼科医の間では、 プール後の洗眼は問題視されていたが、根拠となる研究が少なかったという。
チームの加藤直子・慶大講師は「プールの中で目を開けるならゴーグルをつけて欲しい。そうでなければ、 プール後の洗眼は避けるべきだ」と話している。
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水道水洗眼の危険性
慶応塾生新聞 KEIO STUDENT PRESS 2008年4月報道
(抜粋記事)
水道水洗眼の危険性
慶応大学教授らが研究・発表
慶応塾生新聞では、「水道水などの消毒に使われる塩素が角膜を傷つけ、目に悪影響を及ぼすことを実験で明らかにし、 米国の眼科専門学誌に発表した」ことを掲載。
詳細はこちらからhttp://www.jukushin.com/