災害時に 井戸水どうぞ
1年半前の東日本大震災以降、様々な視点から災害対策が見直される中、
まずは生活に欠かせない水の確保をと茨城県の那珂市では、井戸の有効性
が見直されている。
災害時に井戸水提供の協力をしてくれる民家55世帯の体制を整え、今月から
運用を始めたという。
東日本大震災では全域が断水、市民への給水が長期間困難となったことを
教訓にし、主要な水確保策とする。全国的に見てもこの取り組みは先駆けで、
県内では水戸市なども準備に入った。
このプラン協力者を「災害時協力井戸の家」と名付け、春から準備を進め、
井戸を持つ家(一部は事業所)から申し出が相次ぎ、現在55世帯が登録済み。
すでに水質検査を終え、井戸の家とわかる看板を全戸に掲げている。
市のホームページに全世帯の住所を掲載、クリックすると地図が表示され、
最寄りの井戸がわかる様になっている。
市はこのほかにも五つの中学校区ごとに、新たな市営の井戸を掘削中だという。
さらに、2カ所ある水道水の巨大受水タンクに、水がその場でとれる蛇口も作り
終えたという。
最近では南海トラフ地震の被害予想が広く発表され、いざという時の備え、
また国任せでなく自治体、個人でも何が出来るか、と国民の防災意識の高まりに
拍車をかけているようだ。
周りを海に囲まれた島国日本。地震とは切っても切れない関係、東日本大震災の
教訓をどこまで活かすことが出来るか、井戸水利用などの良案は、全国で広がるといい。
2012年09月10日 朝日新聞 参照
井戸水の提供に協力する家に掲げられた看板