活性炭錠剤で汚染水を浄化!
2010年1月6日(水) 読売新聞
(記事抜粋)
農環研などの研究チーム開発
色の付いた水も1日程度で完全に無色にするほどの浄化能力がある 水に含まれる汚染物質を効果的に取り除くことができる活性炭の錠剤を、農業環境技術研究所(つくば市)などの研究チームが開発した。極めて細かい活性炭の粒子を固めることで扱いやすくしたもので、排水浄化だけでなく、災害時の飲料水製造や、発展途上国での安全な水の確保などに活用できると期待される。家庭用から工業用まで幅広く使われている活性炭の中でも、一粒の直径が1000分の数ミリ~数十ミリ程度の微粒子活性炭は、有害物質を強力に吸着することが知られているが、水に入れると表面に浮かんでしまうので、河川や井戸水を直接浄化することが難しかった。さらに、粉じんが舞いやすく人体に影響を及ぼす可能性があるため、取り扱いも困難だった。
研究チームは微粒子活性炭を、食物繊維の仲間のセルロースで固めて錠剤にすることに成功。錠剤は水に沈む比重にしてあり、汚染水に投入すると沈みながらバラバラになり、水を浄化する。色の付いた水も、24時間たつと無色透明になるほどの浄化能力があり、吸着した有害物質が再び水中に溶け出すこともないという。
同研究所のウン・ヒースー主任研究員は「有機農薬などを強力に吸着するため、農業排水を手軽に浄化する手段になる。また、災害時に上水道が使えない場合、河川の水を飲めるようにするような使用法も考えられる」と話している。