地球環境のことを、身近なテーマで気楽にお伝えするコーナーです。
水質汚染~きれいな水に戻るまで~
私たちの生活に無くてはならない水ですが、
その一方毎日の暮らしの中で一人当たり毎日約200~300リットルの水を生活排水として使用しています。
(生活排水とは、トイレ、台所、風呂、洗濯など日常生活からの排水のことで、トイレの排水を除いたものを生活雑排水といいます。)
水がどんどん汚れてしまう原因の約70%が家庭からの生活排水と言われています。
中でも、炊事から出る使用済みの油や洗濯に使う洗剤などが水を汚す原因とも言われています。
一度汚された水は、なかなかきれいな水には戻りません。
きれいな水を汚すのは一瞬でも、汚れてしまった水をきれいな水に回復させるのは大変なことです。
では汚れた水をきれいにする為にはいったいどれくらいの水が必要なのでしょうか?
魚が住めるまでのきれいな水に戻そうとした場合の例です。
この表を見ても一度汚れてしまった水がきれいになるのには、こんなにたくさんの水が必要という事に驚きます。
家庭でできる生活排水対策として、お皿に残った油や食べものの残りカスなどは紙でふき取る、
洗剤やシャンプーは適量以上に使いすぎないようにするなど、
どんな小さなことでも生活の中で一人ひとりが意識することによって私達の大切なお水は守られていくのだと思います。
※BOD ・・・ 水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量のことで、
河川の有機汚濁を測る代表的な指標。
ウミガメの産卵
生涯のほとんどを海の中で過ごすウミガメが、陸上の地を踏むのは孵化時と産卵時のみです。雌のカメは、砂浜に穴を掘り、
約100個の卵を産みます。穴の中の卵は周囲の砂の水分を吸収しながら成長します。よって水分量、塩分量が適切な砂でないと発育できません。
発育可能な温度は約24度から33度で、29度を境にそれより高いと雌、低いと雄と性別が決まってしまいます。
こうして約2ヵ月後、十分成長した子ガメは卵の殻を破り、深い穴の中に誕生します。しかし、体長約4センチの子ガメは、
1匹では穴の外に出ることはできません。同時に何十匹も生まれた子ガメたちが一斉にもがくことにより、やがて砂の天井が崩れ、
地上へ這い上がる事ができるのです。この間数日から1週間。ここで息絶えてしまうものもいます。
もし、産卵場所が人の足や車により踏み固められていたらどうでしょう。
夜を待ち、地上へ顔を出した子ガメたちは海を
目指します。何故海がわかるのでしょうか?
子ガメは明るい方へ向かう習性がある為、暗い
山側ではなく、紫外線が反射する明るい海へ
向かうのです。この際、海より明るい街灯(青い
光への反応が強いそうです)があれば、子ガメ
は迷ってしまいます。
また、砂浜のゴミ、車の轍、人間の足跡等も体
調約4センチの子ガメが海へ向かう際の越えら
れない障害となります。海へたどり着けないま
まもたもたしている子ガメは、体が乾燥してしま
ったり、体力を消耗してしまい弱ってしまったり、
夜が明け、他の動物に食べられてしまったりします。無事に海へ辿り着いた子ガメは波に乗って沖へ向かいます。
ここでも鳥や大型の魚に食べられてしまう危険があります。
日本で生まれた子ガメは黒潮に乗り、遠くメキシコまで旅立った記録があるそうです。
生き残った子ガメたちは海中で成体となるまで過ごします。
そして今度は親ガメとなり、産卵の為に砂浜に上陸するのです。
因みにウミガメの産卵というと、涙を流しながら頑張っているシーンが浮かびますが、あの涙は痛いとか苦しいとか悲しいからではなく、
単に体内に溜まった余分な塩分を排出しているだけだそうです。海に生息する爬虫類や鳥類には塩類腺という器官があります。
ウミガメの塩類腺は目の上にある為、涙の様に見えるのです。
ウミガメ7種のうち現在日本では5種類のウミガメが観察されています。
その中で国内の砂浜で産卵をするのはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種です。
ウミガメは、自分の生まれた場所に戻ってきてそこで産卵をする母岸回帰という習性があるそうです。
せっかく戻ってきたのに産卵場所が無くなっていた・・・・などという事のない様、砂浜を維持する事は私たち人間の役割ではないでしょうか。
地球温暖化 ~ツバルの危機~
最近、地球温暖化のテレビやニュースなどで多く取り上げられている島があります。
それは、南太平洋に位置し9つの珊瑚島からなる、自然豊でとてもきれいな国「ツバル」です。
そのツバルは、9つすべての島の面積を合わせても、東京の品川区と同じほどしかないとても小さな国です。そこでは、
なんと約1万人という多くの人々が生活をしているのです。
そして今ツバルでは、地球温暖化による海面上昇によって、島が海面に沈んでしまうという重大な危機に直面しています。
ツバルは、もともと海抜が低く、珊瑚礁から出来ている島の為、地面の中はスポンジ状のように無数の穴が開いています。そのため、
満潮時になると海水が押し上げられ、その穴より海水が地上に噴出され島が浸水してしまいます。
さらにその浸水に拍車を掛けたのが、温暖化による海面上昇です。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、海面上昇は、2050年までに約20cmは上昇すると予想されています。近い未来に、
ツバルというひとつの小さな美しい国が、海の中に沈んでしまうかも知れないのです。
また、新たな問題も出始めているとの事です。それは浸水が原因で、以前使えていた井戸や地下水も海水により塩化してしまい、
飲み水が足りなくなっているのです。さらには、地中に流れ込んだ海水は、土地をも塩化してしまい作物は育たず、
主食のタロイモの収穫が激減しているとのことです。
この様な状態をもたらした温暖化の原因は、私たちの生活から排出される二酸化炭素なのです。ツバルの人たちは自給自足による生活なので、
ほとんど二酸化炭素を排出していません。われわれ先進国が排出する二酸化炭素によって、
何の罪も無いツバルの人々がこのような危機にさらされてしまっているのです。
今までも環境に良いことをしなくてはいけないと思っていましたが、実際に何をしたら良いのか分からず、自分ひとりが何かしたところで、
何にも変わらないのではと思っていました。しかし今回このツバルについていろいろ調べたことにより、たとえどんな小さな事でも、
積み重なれば大きな変化へとつながることを学びました。そしてこの美しい国ツバルとそこに住む人々を守る為に、 まずは自分自身、
どんなに小さな事でも出来る事から始めて行こうと思いました。
平成の名水百選
朝日新聞 2008年6月4日(木)
これぞ平成の名水百選
環境省は4日、水環境の大切さを再確認してもらおうと昨年末から募集していた「平成の名水百選」の選定結果を発表した。絶滅危惧 (きぐ)種の魚ムサシトミヨが国内で1カ所だけ暮らす埼玉県熊谷市の元荒川生息地や、 平家との戦いで木曽義仲が放った矢でわき出したという伝説のある富山県高岡市の弓の清水(しょうず)、 水鳥の越冬地としても知られる熊本市の水前寺江津湖湧水群などが選ばれた。
85年に選んだ「名水百選」に加え、北海道洞爺湖サミット開催にちなんで新たに百選を決めた。161件の応募があり、 応募のなかった長崎県、選考から漏れた大阪府、宮城、栃木、佐賀各県を除く42都道府県のわき水、河川、地下水などが選ばれた。
有識者らの検討委員会が水質や生態系配慮など6項目を評価し、特に地域の保全活動が活発に行われているかどうかを重視した。ただ、 名水に認定されても飲料できることを保証するものではないという。
新名水百選の一覧は環境省ホームページよりご覧いただけます。
※添付書類(下記環境省ページ内)をご参照ください。
(参考) 環境省ホームページ http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9797
「知ろう、行こう、守ろう」~国際サンゴ礁年2008~
地球温暖化は生態系へ様々な影響を及ぼしていますが、海中のサンゴも被害を
被っている生物のひとつです。
サンゴは植物の様に見えますが、実は動物です。
サンゴ礁を造るサンゴを造礁サンゴといいます。
造礁サンゴはポリプと呼ばれる
単体の集合体で石灰質の硬い骨格に覆われて
います。
ポリプは褐虫藻という植物プランクトンと共生して
います。この褐虫藻は光合成を行い、
サンゴに必要な栄養を与えています。
サンゴの色は?と聞かれると様々な色が浮かぶと思いますが、元々の色は白です。
カラフルな色は体の中の褐虫藻の色が透けて見えるのです。
また、サンゴ礁の危機的状況のひとつに白化現象があります。
これは、サンゴと共生している褐虫藻が、サンゴから出て行ってしまい、色がなくなってしまう
現象です。こうなるとサンゴはどうなってしまうでしょう?
短時間で褐虫藻が戻ってくれば、そのサンゴは復活しますが、栄養をとれなくなったサンゴは
徐々に死んでしまいます。
白化現象の要因は、高温、低温、紫外線、強光、低塩などと言われています。
サンゴはストレスに弱いのです。
陸で生活する私たちには、海中のサンゴが消滅しようと余り関係ないと思う方もいらっしゃる
かもしれませんが、そうではありません。海と陸は繋がっています。
海中のサンゴは、陸で生活する私たちにも
様々な恩恵を与えてくれます。
例えば・・・
・ 漁業機能・・・様々な魚や貝などの住処に
なっている為、貴重な漁業資源となっています。
・ 景観機能・・・その美しい景観から観光地
としての役割を担っています。
・ 防災機能・・・海岸を波の浸食や津波から
守る防災機能を持っています。
・ 二酸化炭素循環機能・・・二酸化炭素を
吸収しているという研究例もあります。
等があげられます。
サンゴが被っている被害には、白化現象以外にも、陸からの土砂や赤土の流出、
生活排水などによる汚染、過剰な利用など、地域で取り組める対策もまだ多く
残されています。
サンゴの保護活動として、サンゴを食べるオニヒトデやヒメシロレイシダマシ、
シロレイシダマシの駆除、サンゴの移植、などがあります。
2008年は国際サンゴ礁年です。日本での大きなテーマは「知ろう、行こう、守ろう」
です。まずは現状について知る事から始めてみませんか?
(参考) 国際サンゴ礁年 ホームページ http://www.iyor.jp/
水で電池!?
私たちの身近にある『電池』。
この電池の歴史は古く、一番古いといわれているモノでは、今から
2000年以上も前に作られていた「バクダッド電池」といわれるもので、
バクダッド(イラクの首都)郊外の遺跡から発見され、金銀の装飾用に
この電池が使われていたようです。
そして今から約200年前にイタリアの生物学者、ボルタによって
発明された「ボルタ電池」から歴史は始まったと言われています。
ちなみに電圧の単位:V 「ボルト」の名前の由来は、「ボルタ」から
来ているそうです。
現在では、乾電池やリチウム電池・太陽電池などの様々な種類があります。
そして最近では、日本協能電子㈱という会社から『水電池』(非常用水電池 ・
NoPoPo(ノポポ))という電池が開発・発売され、注目を集めているようです。
この水電池ですが、主に小型ライトや小型ラジオなどに使用する非常用としての
電池で、見た目はどこにでも売られている普通の乾電池のようなのですが、実はこれは乾電池ではなく、
水を入れることによってはじめて使えるようになるという電池なのです。
仕組みは、マグネシウム(-)と炭素(+)の間に、塩分を含んだ活性炭を挟み込み、発電するというもの。活性炭に水を入れることで、
それぞれの素材からイオンが溶け出し、-から+に移動することで電気が発生するそうです。
この水電池は、水を入れない限り乾電池のように放電してしまう事がなく、乾電池よりも長期保存が可能となり、
また電力が弱まった場合は、再度水を注入すれば何度かは使用できるようです。
水がない場合などでも、お酒やコーヒー、唾液などでも発電するとの事です。
また普通の乾電池は、処分する際に水銀が使われている事から環境問題の
悪役とされていますが、この水電池の材料は、すべて自然界のものを使用
しているので、燃えないゴミとして捨てられ環境にはやさしいものとなっています。
みなさんも、万一災害が起きた時の防災グッズの一品としてご用意してみては
いかがでしょうか?
日本協能電子株式会社 ホームページ
http://www.aps-j.jp/
水生生物による水質測定
私たちの生活に欠かせない水。そしてそのほとんどが川からの水を水源にしています。
川にはたくさんの生物が住んでいます。
そこで今回は、川に住んでいる生き物について、きれいな川にはどんな生き物が、
汚れている川にはどんな生き物が住んでいるのかを調べてみました。
川の中に住む生き物は、水の中に溶けている酸素の量(溶存酸素)と深い関係にあります。そしてその水に溶けている酸素の量は、 川の水温と川の汚れの程度によって変わり、水温が低いほどたくさんの酸素が水に溶け、 水温が高くなればなるほど酸素が水に溶ける量は少なくなります。
また、酸素は水中の植物によってもつくられていますが、 汚れている川では水中に溶けている酸素が細菌等によってたくさん使われることから、酸素の量が少なくなってしまいます。 酸素の量が少なくなるときれいな水に住む生物は住めなくなり、汚れたところの生物が多く見られるようになります。
このように、水の中に溶けている酸素の量とそこにすんでいる生物の関係から、その地点にすむ生物を調べることによって、 水質など川の環境の状態が分かります。川の環境の状態を私たちに教えてくれる生物のことを『指標生物』と言います。この指標生物は、 水の汚れに敏感なものの中から、目で見ることができる大きさで、日本全国に広く分布している生物をとりあげているそうです。
そしてその川に住んでいる指標生物によって水質を測定し4階級に分けています。(下図参照)
今回、指標生物についていろいろと調べたことにより、
改めて身近な川を私たち人間にとって良い状態を残すためには何をすべきか考えなくてはいけないなと思い知らされました。
みなさんのお近くの川にはどのような生き物がいて、どのくらいの水質なのか一度調べてみてはいかがでしょうか?
ビオトープ
みなさんはビオトープってご存知ですか?
ビオトープとは、ドイツ語で「bio(いのち)+topos(場所)」
「生き物のすむ場所」という意味です。
最近では、色々な種類の生き物 が自分の力で生きていくことのできる自然環境をそなえた場所を、ビオトープと呼んでいます。
自然にある森や林、湖や池は代表的なビオトープです。
そこにはさまざまな植物や動物が住み、互いに食べたり食べられたり、複雑に関わりあいながらバランスを保って生きています。
しかし近頃では、人間が住みやすいようにと進めてきた土地開発によって自然の
ビオトープが減ってしまい、生き物の住める環境も少なくなってしまいました。
そして、日本では昔からいた多くの野生の生き物が、今では少なくなって来て
いるのです。なかでもメダカは全国的に数が減り、絶滅する恐れのある
生き物のひとつとなっています。
また最近の新聞に赤とんぼが減っているとの記事もありました。
メダカや赤とんぼのように、私たちが小さいころからあたり前のように近くに
いた生き物を、これから先の時代も見られるように、今ある自然のビオトープを
大切にしていくことはもちろんの事、自分の近くにも簡単なビオトープをベランダや
お庭に作ってみてはいかがでしょうか。
(参考)
・環境庁 おしえてビオトープ(PDF版)
http://www.env.go.jp/nature/biodic/eap61/
・日本ビオトープ協会
http://www.biotope.gr.jp/
エコ先進国 ドイツ
ドイツ 環境への取り組み
本日、朝の番組で"ドイツのエコ特集"を取り上げていました。エコ活動を心がけているわたしは(できる事からコツコツと... ですが!(^^)!)とても参考になりましたので、ドイツのエコ活動を少しご紹介いたします。
・ 二酸化炭素...日本では年々上昇
ドイツでは年々減少
・ ほとんどの人がレジ袋を使用せず、マイバックを使用。※レジ袋は原則有料
・ 水道・電気はこまめに消す
・ 極力、車を使わずCO2を出さない"自転車"を使う
・ 自転車のための自転車道が整備されている
・ 自転車と一緒に電車に乗ることができる→サイクルトレイン
まだまだいろいろな取り組みがあるようです!
最後にご紹介したサイクルトレインですが、なんと日本にも数か所サイクルトレインを運行している鉄道がありました。 しかも私たちの地元=上毛電鉄=でも運行していることを知り、驚きました。今ごろ知ったことに恥ずかしくも思いますが。。。
これからは、ますますエコ活動に力を入れていきたいと思います。
ちなみに、私たちの会社アクアス総研でもエコ活動に取り組んでいます。ぜひご覧くださいね。
⇒アクアス総研のエコへの取組み はこちら
(ドイツの環境への取組み 参考資料)
http://www.nikkeibp.co.jp/ecomom/report/report_12.html
http://www.jccca.org/content/view/1014/653/
http://www.german-consulate.or.jp/jp/umwelt/index.html
(カワイ)