湖に異変!?
ゴールデンウィークもはじまり、本格的な春の観光シーズン到来ですが、奥日光では中禅寺湖の水位が低下する異常事態が起きているようです。湖の水位が下がり、観光の目玉の遊覧船が一部の場所で着岸できない事態となるなど、観光業にも影響が出ています。
中禅寺湖は、毎年冬の間に水位が低下し春から回復しますが、昨年の秋から雨が少なかった影響か、今年は例年以上に水位の低下が著しいということです。
昨年、日本に上陸した台風は近畿地方を縦断した台風7号の1つのみ。
気象庁によると、秋以降は降水量が少なく、日照時間は長かったことが要因とされています。
奥日光の9-10月降水量は平年の650ミリに対し、2023年は350ミリと平年の54%程度。ただし、11-3月までの直近5ヵ月の降水量は、平年の370ミリに対し465ミリと、一概に降水量だけが理由ではないように思えます。
そこで気温を比較すると、11-3月の平均気温は平年のマイナス0.86度に対し0.64度と1.5度も上昇。そのため蒸発量が多かったためと言われています。
専門家は、「全国的に暖冬で、雨も少なく、気温が高いために、雪も降らない。普段は、雪としてとどまって、ゆっくり解けるので、水位を平均的に保つことができるのですが、今年はそれがはなかった」と、指摘しています。
世界気象機関(WMO)は、今年1月に2023年の世界の平均気温が観測史上最も高かったと発表しました。
パリ協定では、温暖化によるリスクを減らすため今世紀末時点での気温上昇を産業革命前と比べて「2度目標(努力目標1.5度以内)」と掲げていますが、すでに危険水域に突入しているようです。
気温の上昇は、湖の水位低下も含め、身近な水の変化として私たちの暮らしに影響を与えるということを念頭に入れておこうを思います。