「知ろう、行こう、守ろう」~国際サンゴ礁年2008~
地球温暖化は生態系へ様々な影響を及ぼしていますが、海中のサンゴも被害を
被っている生物のひとつです。
サンゴは植物の様に見えますが、実は動物です。
サンゴ礁を造るサンゴを造礁サンゴといいます。
造礁サンゴはポリプと呼ばれる
単体の集合体で石灰質の硬い骨格に覆われて
います。
ポリプは褐虫藻という植物プランクトンと共生して
います。この褐虫藻は光合成を行い、
サンゴに必要な栄養を与えています。
サンゴの色は?と聞かれると様々な色が浮かぶと思いますが、元々の色は白です。
カラフルな色は体の中の褐虫藻の色が透けて見えるのです。
また、サンゴ礁の危機的状況のひとつに白化現象があります。
これは、サンゴと共生している褐虫藻が、サンゴから出て行ってしまい、色がなくなってしまう
現象です。こうなるとサンゴはどうなってしまうでしょう?
短時間で褐虫藻が戻ってくれば、そのサンゴは復活しますが、栄養をとれなくなったサンゴは
徐々に死んでしまいます。
白化現象の要因は、高温、低温、紫外線、強光、低塩などと言われています。
サンゴはストレスに弱いのです。
陸で生活する私たちには、海中のサンゴが消滅しようと余り関係ないと思う方もいらっしゃる
かもしれませんが、そうではありません。海と陸は繋がっています。
海中のサンゴは、陸で生活する私たちにも
様々な恩恵を与えてくれます。
例えば・・・
・ 漁業機能・・・様々な魚や貝などの住処に
なっている為、貴重な漁業資源となっています。
・ 景観機能・・・その美しい景観から観光地
としての役割を担っています。
・ 防災機能・・・海岸を波の浸食や津波から
守る防災機能を持っています。
・ 二酸化炭素循環機能・・・二酸化炭素を
吸収しているという研究例もあります。
等があげられます。
サンゴが被っている被害には、白化現象以外にも、陸からの土砂や赤土の流出、
生活排水などによる汚染、過剰な利用など、地域で取り組める対策もまだ多く
残されています。
サンゴの保護活動として、サンゴを食べるオニヒトデやヒメシロレイシダマシ、
シロレイシダマシの駆除、サンゴの移植、などがあります。
2008年は国際サンゴ礁年です。日本での大きなテーマは「知ろう、行こう、守ろう」
です。まずは現状について知る事から始めてみませんか?
(参考) 国際サンゴ礁年 ホームページ http://www.iyor.jp/