水や生活に役立つ雑学などをお伝えします
軟水器 その1
水道水から硬度成分をとりのぞくのが軟水器。
硬度成分が肌を荒らすことが知られている欧米諸国や韓国
では、すでに多くの家庭で軟水器が使われています。
では、軟水器とはどんなものでしょうか。
簡単に言えば、ボトル状の容器の中に「イオン交換樹脂」と
いう小さな粒を詰め込んだもの。
この「イオン交換樹脂」というフィルターに水を通して、肌へ
の刺激や水周りの汚れのもとになるカルシウムやマグネシ
ウムなどの硬度成分を取り除き、水道水中から硬度を低く
する機能があります。
「イオン交換樹脂」は使いすぎると硬度成分の除去能力が
低下しますが、塩水を流し込むだけで、硬度成分とイオン
交換樹脂を離す性質があるので、再び硬度成分を取り除
くようになり、長期使用が可能なのです。
次回は軟水器のメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
「とどのつまり」って?
日本では江戸時代まで、武士や学者は元服(現在の成人)を迎えると
名前を幼名から大人の名前に変え、着物も成人の服に変え、
お祝いする風習がありました。
また出世の際には身分に適した名前に改名する習慣があったそうです。
それにちなんで、稚魚から成魚への成長に伴い異なった名称を持つ魚を
出世魚と呼びます。
出世魚は、縁起の良い魚として門出やお祝い事の席で好んで使われています。
出世魚の代表格といえば、ブリが思い浮かびますが、
地方によってさまざまな呼び名があるようです。
ブリ
関東地方 ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西地方 ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
北陸地方 コヅクラ→フクラギ→ガンド→ブリ
他に有名な出世魚をあげてみます。
スズキ
セイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウ
ボラ
オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
とどのつまりの「とど」とはボラのこと。
ボラは成長とともに呼び名が変わっていきますが、
最終的にはトドになることから、「結局」「行きつくところ」を意味する
とどのつまりの語源とされています。
お墓にお水をかけるのはなぜ?
先日、お彼岸という事でお墓参りに行って来ました。
お墓参りに行くと、決まって墓石に水をかけます。
雨が降っていてもお水をかける人もいるようです。
ではなぜ、お水をかけるのでしょうか?
仏教の世界観に餓鬼道という世界があります。
そこは常に水が不足しているのです。
悪行の報いとして餓鬼道に落ちた亡者たちは、
やせ細って喉が針の孔のようになり、水が飲めずに
渇き苦しんでいると言われています。
そうした世界に、もしかしたら先祖の誰かがいるかも知れない。
もしそんなことになっていたら、どうか早く渇きを癒してください
という願いを込めて、水をかけるようです。
またお墓参りに行った時には、そういった意味があるという事を
理解したうえで、お水をかけてきたいと思います。
川の級???
川の名前が書いてある看板に一級河川やニ級河川などと
書いてあるのを見かけたことはありませんか?
川にも等級があるのか疑問に思い調べてみました。
同じ流域内にある川などをまとめて『水系』と呼んでいます。
日本では、河川法において、重要性が高い水系を区分及び
指定しています。
上下水道、灌漑、発電などに利用をする河川を「一級水系」
とし、一級水系に関わる河川のうち国が管理を行う必要が
ある河川を「一級河川」といいます。
「二級河川」は一級水系以外の水系で、公共の利害に重要な
関係があると思われる河川をいい、管理は都道府県知事に
なっています。
また、一級水系及び二級水系以外の水系に関わる河川で、
市町村長が管理する河川を「準用河川」と呼ぶものもあります。
一級河川は全国で109水系、13,950河川に指定されている
そうです。
一級河川の支流は全て一級河川に指定されているので、
その支流がどんなに細く短くても一級河川になります。
ですので、級と川の大きさは関係なく一級河川よりも
二級河川が大きい場合があります。
級は川の大きさではなく管理するところによって違うようです。
水分量
生命を維持する為に欠かせないものに、空気や水などがあります。
地球上の生物は、水から出来ているといっても過言ではありません。
人間の体の約60%は水でできています。
赤ちゃんに関しては80%もが水でできているとわれています。
私達が普段食している野菜や果物などの食べ物にも
たくさんの水が含まれています。
新鮮な野菜や果物は<みずみずしい>といわれるように
私達が普段食している野菜や果物にもたくさんの水が含まれています。
≪野菜≫
○レタス 95.9%
○もやし・ほうれん草・大根 90%以上
○トウモロコシ 75%
○イモ類 60-80%
≪果物≫
○すいか 89%
○みかん 86%
○バナナ 75%
このように、果実からも多くの水分を摂取することができます。
人間(成人)が生命を維持するために、1日で必要な水分量は、約2.5リットルです。
飲料水だけで摂取するのは大変ですが、野菜や果物などから上手に取り入れましょう。
魚は寝るの?
私たち人間には睡眠が欠かせませんが、魚はどうでしょう?
わかりやすくまぶたを閉じて・・・
ということはありませんが、もちろん魚も寝ます。
眠るというより体を休めるという言い方が適当かもしれません。
その寝姿も様々です。
マグロやカツオなど回遊魚の一部は、
泳ぐことを止めると死んでしまうと聞いたことはありませんか?
これは、口を開け、高速で泳ぐことにより海水を取り込み、
エラを通して水中の酸素を取り入れているからです。
そのため泳ぐことを止めると窒息死してしまいます。
では、どうやって寝るのでしょう?
答えは泳ぎながら寝ます。
泳ぐスピードを変え、比較的ゆっくり泳ぎ体を休めているようです。
砂に潜って眠る魚がいます。
なかでもベラの仲間は規則正しく、
日が暮れると砂に潜り込み日の出まで休みます。
普段は鮮やかな黄色が印象的なチョウチョウウオの仲間や、
青色のタカサゴの仲間などは捕食者から身を守るため
寝る時は体色を地味な色へと変化させます。
ブダイの仲間は口からゼリー状の粘膜を出して寝袋をつくり、
その中で寝ます。
これは自分の匂いを消して夜行性の敵から身を守るため、
あるいは寄生虫を防ぐためと言われています。
小さなカワハギの仲間は、寝ている間に流されないよう
尖った口で海藻などをくわえて寝ます。
無防備な睡眠時は最も外敵に襲われやすいため、
どの魚も様々な工夫をし、身を守っています。
甌穴(おうけつ)
甌穴とは河底や河岸の岩石面上にできる円形の穴の事で、
「ポットホール(pot hole)」、または「かめ穴」ともいわれています。
河底や河岸の表面が硬い場合、表面に割れ目などの弱い部分があると、
そこが水流による浸蝕のためにくぼみとなります。
このくぼみの中に小石が入ると渦流によってその小石が回転し、
丸みを帯びた円形の穴に拡大します。
その後、川底が侵食の影響で下がり、甌穴のできた場所は水面より高くなります。
その結果、甌穴が地表に見られるようになります。
穴の直径、深さとも数センチのものから数メートルのものまでその姿はさまざまであり、
なかには穴の底に磨耗した小石が残っているものもあります。
ここ群馬では、温泉で知られる四万(中之条町)の四万川に、
大小あわせると8個の甌穴があり、群馬県の指定天然記念物となっています。
甌穴は、数万年もの長い月日をかけて、自然が作り出した大彫刻と言って過言ではないでしょう。
群馬にお越しの際は、ぜひ見学してみてください。
水の溶解力
水にはいろいろな物質を溶かす力(溶解力)があります。
食塩水や砂糖水は見た目、無色透明になりますが、
食塩や砂糖が水の中に溶けています。
水は、食塩のようにイオン結合で結びついている物質をよく溶かします。
食塩を化学記号で書くとNaClです。
これは、Naイオン(Na+)とClイオン(Cl-)が結合したものです。
食塩を水に溶かすと水分子の電気的な力が働き、
Naイオン(Na+)は水分子のマイナスの電気を帯びた酸素原子と
Clイオン(Cl-)はプラスの電気を帯びた水分子の水素原子に集まり、
食塩のイオン結合が切れます。これを水和イオンといい、
このように食塩は水に溶けていきます。
また、砂糖の場合、砂糖の分子が水の分子と結びつきやすい部分(親水基という)を持っており、そこに水分子の水素結合の力が働き、水分子とくっつく形で溶けていきます。
私たちの周りには気づかないうちたくさんの水の溶解力を目の当たりにしています。
雨は、大気中の酸素や二酸化炭素、硫黄化合物、窒素化合物といった物質を溶かし込んでいます。
魚は水に溶けた酸素を吸っています。
植物は栄養分を水に溶かし運んでいます。
血液の成分のうち90%が水でできています。
摂取した栄養や成分を全身に運んだり老廃物を排出したりできるのも、
水にものを溶かす力があるからです。
水は本当に不思議ですね。
命懸けの食事
ガラパゴス諸島に生息するウミイグアナ。
爬虫類ですが、泳ぎが得意です。
ガラパゴス諸島には、リクイグアナとウミイグアナがいます。
元々は陸上の生き物だったイグアナはサボテンを食べていました。
しかしサボテンもただ食べられ続けるわけにはいきません。
だんだんイグアナが登れない高いところに葉や実をつけるようになりました。
イグアナは木の下でじっと実が落ちてくるのを待つしかありません。
エサのなくなったイグアナは海へ潜り海藻を食べるようになりました。
ウミイグアナの誕生です。
ウミイグアナの尻尾は泳ぎやすいよう平たく、
その爪は流れの速い海流の中でもしっかりと岩につかまれるよう鋭く変化しました。
しかし、ガラパゴス諸島付近は寒流が流れているので海水温が非常に低く、
変温動物であるウミイグアナはそのままでは潜ることはできません。
食事前に十分な日光浴をし、体温を上昇させてから海へ向かいます。
ですが、潜っている間もどんどん身体は冷えていきます。
動けなくなる前に食事を終わらせなければいけません。
また食後も冷えきった身体では消化活動もできないので、
再び陸上で日光浴をします。
まさに命懸けの食事です。
そんなウミイグアナに危機が訪れました。
エルニーニョ現象の影響もあり、エサである海藻が激減してしまいました。
エサをなくしたウミイグアナの半数が死滅したと言われています。
しかし、その後謎のイグアナが現れました。
鋭い爪を持ちリクイグアナを尻目に木登りをしサボテンを食べ、
かつ、海へ潜り海藻を食べることもできるイグアナです。
これはハイブリッドイグアナと呼ばれ、陸上へエサを求めたウミイグアナの雄と
リクイグアナの雌の交配により生まれました。
これは生き残るため環境へ適合した結果なのでしょうか?
それともただの交雑なのでしょうか?
現在のところハイブリッドイグアナに生殖機能があるか否かは不明だそうです。
異常気象 ~海水温の変動~
近年、猛暑日やゲリラ豪雨が頻発しています。
そしてこれから本格的台風シーズンを向かえようとしています。
台風や、変動気象はどのように発生するのでしょう?
台風は、熱帯の海上で発生する
低気圧【熱帯性低気圧】の一つです。
このうち、北西太平洋や南シナ海で生まれた中心付近の
最大風速が17.2m以上のものを台風といいます。
アメリカなどの北中米ではハリケーン、
インド付近ではサイクロンとも呼ばれています。
熱帯では海水が強い太陽光により海水が温まり、水蒸気が発生します。
その水蒸気は、やがて時計の反対まわりに回転しながらどんどん上にのぼっていき、
積雲や積乱雲となり巨大な雲や豪雨をもたらします。
ここに、まわりの暖かいしめった空気が渦をまきながら流れこんで、台風となります。
台風や気候変動には海水温の影響もあります。
海水温の変動気象には
「エルニーニョ」や「ラニーニャ」現象などがあります。
「エルニーニョ」、「ラニーニャ」は、スペイン語で
「男の子」「女の子」という意味があるようです。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道の中央部(日付変更線付近)から
南米のペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、
その状態が半年から1年半程度続く現象のことで、数年に一度発生します。
エルニーニョ現象が発生しているときは、貿易風が弱まり、
地球全体の大気循環の影響により、世界各地で、干ばつや洪水、
気温の乱れなどの異常気象をもたらすと考えられています。
日本では、梅雨明けの時期が遅れ、冷夏や暖冬になりやすいようです。
また、ラニーニャ現象はエルニーニョ現象とは反対に
海水の温度が低くなる状態が続くことです。
ラニーニャ現象が発生しているときは
北大西洋でハリケーンが多く発生するようです。
日本では、夏の気温は平年並みから高めになり、
冬の気温は平年並みから低めとなります。
これから台風シーズンとなりますが気をつけましょう。