甌穴(おうけつ)
甌穴とは河底や河岸の岩石面上にできる円形の穴の事で、
「ポットホール(pot hole)」、または「かめ穴」ともいわれています。
河底や河岸の表面が硬い場合、表面に割れ目などの弱い部分があると、
そこが水流による浸蝕のためにくぼみとなります。
このくぼみの中に小石が入ると渦流によってその小石が回転し、
丸みを帯びた円形の穴に拡大します。
その後、川底が侵食の影響で下がり、甌穴のできた場所は水面より高くなります。
その結果、甌穴が地表に見られるようになります。
穴の直径、深さとも数センチのものから数メートルのものまでその姿はさまざまであり、
なかには穴の底に磨耗した小石が残っているものもあります。
ここ群馬では、温泉で知られる四万(中之条町)の四万川に、
大小あわせると8個の甌穴があり、群馬県の指定天然記念物となっています。
甌穴は、数万年もの長い月日をかけて、自然が作り出した大彫刻と言って過言ではないでしょう。
群馬にお越しの際は、ぜひ見学してみてください。
投稿者 アクアス総研 : 2012年2月 1日 10:01