水の溶解力
水にはいろいろな物質を溶かす力(溶解力)があります。
食塩水や砂糖水は見た目、無色透明になりますが、
食塩や砂糖が水の中に溶けています。
水は、食塩のようにイオン結合で結びついている物質をよく溶かします。
食塩を化学記号で書くとNaClです。
これは、Naイオン(Na+)とClイオン(Cl-)が結合したものです。
食塩を水に溶かすと水分子の電気的な力が働き、
Naイオン(Na+)は水分子のマイナスの電気を帯びた酸素原子と
Clイオン(Cl-)はプラスの電気を帯びた水分子の水素原子に集まり、
食塩のイオン結合が切れます。これを水和イオンといい、
このように食塩は水に溶けていきます。
また、砂糖の場合、砂糖の分子が水の分子と結びつきやすい部分(親水基という)を持っており、そこに水分子の水素結合の力が働き、水分子とくっつく形で溶けていきます。
私たちの周りには気づかないうちたくさんの水の溶解力を目の当たりにしています。
雨は、大気中の酸素や二酸化炭素、硫黄化合物、窒素化合物といった物質を溶かし込んでいます。
魚は水に溶けた酸素を吸っています。
植物は栄養分を水に溶かし運んでいます。
血液の成分のうち90%が水でできています。
摂取した栄養や成分を全身に運んだり老廃物を排出したりできるのも、
水にものを溶かす力があるからです。
水は本当に不思議ですね。
投稿者 アクアス総研 : 2012年1月 6日 09:16