水道の歴史
水道の歴史
(水道の始まり)
昔から人間は、飲み水が容易に手に入る川や湖などの近くで生活を営んで来ました。
そして、そこに多くの人々が集まり都市がつくられるようになり、
さらに大量の水が必要となりました。
そこで都市から離れた湖や川の上流から、
トンネルなどの水路をつくって都市まで水を
引いてくるようにしたのが、
水道の始まりです。
最初の水道は、紀元前2500年ごろのインダス文明の
都市モヘンジョ・ダロと言われています。
ここでは、インダス川の水を集落の近くまで引いていました。
本格的な水道としては、ローマ帝国時代(紀元前312年)に湧水を水源とし、
石積みのアーチ型で有名なアピア水道が建設され、
屋内配管によって家庭に水を供給していたようです。
この水道は、その後数百年の間に規模が拡大し、
総延長約600kmまで達したといわれています。
(日本の水道)
日本では、徳川家康が神田川から江戸城に引いた小石川水道が最初です。
その後江戸の発展とともに玉川上水など多くの水道がつくられてきました。
これらの水道はどれも水源からの傾斜を利用した配水路でした。
現在のように、ろ過した水を消毒した後、
ポンプで送水する近代水道が日本で最初につくられたのは、
明治20年の横浜で、英国人技術者のパーマー氏の指導によりつくられたそうです。
そして現在、全国平均の水道普及率は、約98%に達しました。
今、私たちが安心して水を使用できるようになったのは、
古代の人達の知恵と長い歴史があったからなのですね。