『冬水田んぼ』
冬水たんぼを知っていますか?
『冬水田んぼ』は近年注目されている農業技術で、
稲刈り後の冬の間も田んぼに水を張ったままにしておくことです。
冬の間も水を張っておくことにより、
イトミミズ、微生物、藻などが発生します。
すると、それらをえさにするメダカや蛙、クモ、
さらにそれらをえさとする水鳥などさまざまな生き物たちが棲みつきます。
それらの排泄や死骸は肥料となり、田んぼの土を豊にしてくれるそうです。
また、冬水たんぼにすることは土を豊にするだけでなく、
他にもいろいろな効果があるようです。
・省エネ?(耕運機いらず)
冬の間に土壌動物(イトミミズや微生物)などが土を耕します。
前年の稲の根は分解され、空洞となってスポンジ状に残り、
土を耕した状態にしてくれます。
・抑草効果
イトミミズの糞がトロトロした層を作り春草の種を閉じ込め、
発芽を抑えます。
・殺虫効果
蛙やクモなどが苗を害虫から守ってくれます。
冬水田んぼは、生き物たちの冬の生息環境を整え、
自然環境を守り、無農薬、化学肥料不要なお米を作ることができます。
この冬水たんぼの考えは、新しいような気がしますが、歴史は古く
300年前の江戸時代につくられた『会津農書』にもかかれているそうです。
耕運機などの機械、肥料、農薬などのない時代だからこその知恵です。
しかしこの冬水田んぼ、実際は冬場の水を確保するのは難しく、
なかなか普及しないのが現状のようです。
人と自然との共生、自然保護にも良い技術があることを始めて知りました。
皆さんは知っていましたか?